〜家族みんなの問題です〜

ご存知のように、骨は加齢に伴って少しずつもろくなってゆきます。

      しかし、ただ単に骨がもろいからといって、そう簡単に折れるわけではなく、骨折のほとんどは
    転倒や転落などの事故によって起こってくるのです。たとえどんなに骨が頑丈な人でも滑って
    転べば骨折してしまいますので、他人事ではすみません。これから「転倒・転落予防」について
    家族みんなの問題として考えてゆきましょう。

転倒・転落予防で寝たきり予防 「注意一秒、ケガ一生」

    寝たきりの実態について

      昨今「骨折こそ寝たきりの原因だ」と言われていますが、原因の第1位は脳卒中で3〜5割
    を占めます。以下、老衰が2割程度、骨折が1割前後でつづきます。ですから、何より
  「脳卒中予防」の努力を根気よく続けることが大切です。さて骨折の原因は「転倒」が一番多い
   ので、交通事故などを含めた「事故」合計は9割を越えます。

転倒事故の実態:どんな時にどんな所で転倒事故は起きるのか

    転倒は家庭内事故で一番多い

     「お年寄りは家でじっとしていて下さい!外はあぶないから」と自宅に閉じ込めて安心するのは、
    大変な考え違いであり、むしろ家の中こそ危険がいっぱいです。実に転倒事故の約半数が自宅で
    起こっており、転倒すると骨折だけでは済まず、命を失うこともあります。

    高齢者の場合、家庭内事故による死者数は交通事故と同じくらい多いのです。

      危ない場面とは「階段を踏み外して転落」とか「暗い廊下で滑った」、「敷居や段差につまづい
    て転んだ」、「お風呂場の濡れた床で足が滑った」などです。また、「居間での転倒が最も多いと
    いう調査もあり、「日常生活の場での目配り・気配り」こそ最も重要です。

快適な住まいは転倒・転落を予防する こんな工夫で

    ◎居間

      カーペットのめくれや電気コードなど、足元の生理整頓が先決問題です。廊下と座敷の段差は
    小さなスロープを取り付ければ簡単に解消できます。ただし段差解消に中途半端は禁物。
    ほんの2〜3cmの段差こそが一番危ない事をお忘れなく。またフローリングの上で、チラシ・新聞
    衣類に思わずのってしまい滑ってケガをしない為にも、ノンスリップフローリングをお勧めします。

    ◎階段

      蹴上げは15cm程度、踏み面は28cm以上とし、蹴込みは2cm以下。滑り止めは出っ張って
    付けるとつまずきやすく逆に危険です。階段の転落事故は特に大ケガにつながるので、ノンスリップ
    階段板にして、床板を色違いにすると、事故防止には大きな効果があると考えられます。

    ◎玄関

    玄関や階段など、段差が避けがたい場所では照明を明るくして、配色に変化をつけ、メリハリを
    つけましょう。採光も大事ですがまぶしすぎる逆光では逆効果です。玄関の床は固い石貼りが多いの
    で滑って転ぶと大ケガに繋がってしまいます。上り框で滑らないように、ノンスリップ框をお勧めし
    ます。

    ◎風呂場

      出入り口に排水溝を切ってスリット蓋をかぶせると(グレーチング)、全く段差が無くなります。
    出入り口にはスライド式の扉を採用して、間口は80cm以上の幅を持たせ、半透明の扉には割れな
    い合成樹脂の素材か強化ガラスを使いましょう。また床面は、濡れても滑りにくくする工夫が不可欠
    です。滑り止めマットも市販されています。
  浴槽は、和洋折衷タイプの埋め込み式が望ましく、浴槽の縁が洗い場の床から40〜45cmの
    高さにあると、出入りが楽です。

  ◎手すり

  手すりは、階段や風呂場、トイレ、廊下などに必要です。ただし、両端は伸ばして、壁にくっつ
  けて終わらせないと、袖が引っかかって危険です。

    ◎レバー式

      洗面所や風呂場、台所などの水洗蛇口やドアのノブはレバー式にすると楽です。

    ◎住宅改造

      住宅改造の方法や助成制度については、地元の役所の窓口でご相談ください。また、改造までしな

     くても、現在の住居に後付け可能なアイデア部品や介護用品は、たくさん市販されています。
  以上みてきたように、家庭内事故は、乳幼児や高齢者に多く発生せているのが最大の特徴です。

  しかも、乳幼児や高齢者の家庭における死亡事故は、社会問題化している交通事故死より多い事

  にまず注意する必要があります。家庭内で事故の起きている場所は、「居間」「台所」が多いですが
   「階段」「浴槽・風呂場」も多くなっています。
   家庭内事故のうち、「階段」「浴槽・風呂場」などの住宅関連事故は3割を占め、その他の商品
  と比べ、ケガの程度が重いものが多く、高齢者の事故の割合が高いことがその特徴としてあげられま
  す。家庭内で思わぬ事故にあうのは、家の中は安全なはずという思い込みと、自分の家の事は長年暮
  らしているので何もかも熟知している、したがって、まさか事故に遭うなどどは夢にも考えてないか
    らではないでしょうか。その結果、安全に対する配慮をおろそかにしている、ことなどもその背景と
  して考えられます。しかし、日常の生活の場で事故は起きています。
   一般の家庭、とくに乳幼児や高齢者のいる家庭では、まずはこのような家庭内事故の実態を認識して
  日頃から事故に遭わないように配慮したいものです。
  今後、社会の少子・高齢化が進む中、このような事故の未然防止対策を考えることはきわめて
  重要であると考えられます。また、皆様が家庭内事故防止対策を考えて、常に気をつけようとする
  習慣を身につけることが、事故防止につながる大切な要素ではないかと思います。